今月の主題 膵・胆道疾患の臨床
膵・胆道疾患診療の基本
膵癌・胆道癌の診断における腫瘍マーカーの役割とfalse positive
澤武 紀雄
1
1金沢大学がん研究所・内科部門
pp.1284-1286
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222601
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一般に腫瘍マーカーの臨床応用として,1)早期診断をめざした癌の存在診断,2)臨床経過を追跡するモニター,3)進行度や予後の判定,4)転移性や浸潤性などの悪性度の判定,5)ターゲッティングによる癌の画像診断や癌治療法への応用,などの分野がある.他の多くの癌と同様に膵・胆道癌においても,3),4),5)の領域において臨床的に有用性を高く評価できるものは未だ見られない.
本稿では膵・胆道癌における1)および2)に関する腫瘍マーカーの果たす役割と疑陽性の出現しやすい疾患や病態について解説する.
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