今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
精神科
うつ病,うつ状態
前田 久雄
1
1九州大学医学部・神経精神医学教室
pp.734-735
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222426
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●概説
ここ30年来の世界的傾向として,うつ状態のために医師を訪れる患者の数が確実に増えてきており,プライマリ・ケア医を受診する患者の10〜20%を占めているともいわれる.しかもその約半数は,身体症状を主訴とする仮面うつ病のかたちをとっており,うつ病としての診断・治療に手間取りやすい.
うつ状態を示す疾患としては,後で述べるようなうつ病(内因性,心因性,身体因性)のほかに,精神分裂病や境界例,さらには老年期痴呆(特にその初期)などもあり鑑別を要するが,その細かな鑑別点についてここで触れる余裕はない.
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