増刊号 診断基準とその使い方
VIII.膠原病・免疫・アレルギー
6.Sjögren症候群
烏飼 勝隆
1
,
田村 いつ子
1
1藤田学園保健衛生大学医学部・内科
pp.2095-2097
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222010
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■診断基準(表1)
■疾患概念と疫学
自己免疫性の機序によって外分泌腺,その中でも主として涙腺と唾液腺とに慢性の炎症性病変が起こる疾患である.その結果,口内乾燥症や乾燥性角結膜炎が生じる.自覚症状としては,口渇,口腔粘膜や口唇の乾燥感や疼痛,パンなどの乾いた食物の嚥下しにくさを訴える.他覚的には,齲歯が多く,口腔粘膜の萎縮や潰瘍を生じることがある.一方,眼の症状は,眼の乾燥感,異物感,眼精疲労などの症状を訴える.
涙腺と唾液腺のみではなく,膵や気道分泌腺,汗腺などの他の外分泌腺も侵される(表2).さらに,外分泌腺以外にも,関節,腎,肺,肝なども罹患する(表3).
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