増刊号 診断基準とその使い方
VII.血液
4.発作性夜間血色素尿症
藤岡 成徳
1
1三井記念病院・血液内科
pp.2010-2011
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221983
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発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria;PNH)は夜間の血管内溶血により,早朝尿が濃赤褐色のヘモグロビン尿を呈する特徴的な症状があるため,古くから記述のあった疾患である.血管内溶血の機序は補体が関与し,補体溶血しやすいPNH赤血球のクローナルな出現が病因であり,赤血球膜異常の機構も明らかにされつつある.その異常は白血球,血小板,さらに骨髄にも及んでいる.臨床的には溶血発作,深部静脈血栓症,白血病などさまざまな特異な合併症が起こり,しかも慢性に経過するので,正確な診断と病態の把握が適切な診療をする上で極めて大切である1).
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