増刊号 診断基準とその使い方
VI.代謝
13.アミノ酸尿症
松田 一郎
1
1熊本大学医学部・小児科学
pp.1978-1979
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221971
- 有料閲覧
- 文献概要
■診断基準
尿中のアミノ酸排泄量が増加する疾患は表示のごとく多数ある.表には尿中アミノ酸をキイワードとして,それぞれのアミノ酸の増量が認められる場合,考えられる疾患名を列記してある.この中にはシスチン尿症のときのシスチンのように,常に尿中排泄量の増加が認められる疾患の他,アルギニノコハク酸尿症の場合のリジンのように,排泄量の増加が常時認められるわけではない疾患についても記載してある.
尿中へのアミノ酸排泄が増加する機構としては,血中のアミノ酸の増加に伴って生ずる,いわゆるoverflow型と腎尿細管での連送(再吸収)不全に基づく再吸収不全型の二つがある.前者では特定の血中アミノ酸が上昇するが,後者では血中アミノ酸はほぼ正常である.ただし,腸管での吸収も低下する場合は,特定のアミノ酸の低下が認められることがある.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.