増刊号 診断基準とその使い方
V.内分泌
16.グルココルチコイド反応性アルドステロン症
小島 元子
1
,
福地 総逸
1
1福島県立医科大学・第3内科
pp.1901
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221940
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■疾患の概念と疫学 グルココルチコイド(GC,糖質ステロイド)反応性アルドステロン症(GSH)は,高血圧と低カリウム(K)血症およびこれに基づく症状(四肢麻痺,テタニー,多飲多尿)を呈し,性徴異常がなく,血漿レニン活性(PRA)の抑制と血漿アルドステロン(Aldo)の過剰を示す疾患であり,比較的多量のGC[通常2mg/日のデキサメサゾン(Dex)]投与により症状の改善をみる.本症の副腎皮質には,球状帯から束状帯外層を主体とする過形成が認められる2).これは副腎原発の異常ではなく,何らかの刺激ホルモンの過剰に反応したもので,このホルモンがGCにより抑制されると考えられているが,詳細は不明である.
わが国では,厚生省により,本症の集計がなされた.これによると,副腎原発のアルドステロン症(PA)は1977年から1981年までの5年間に626例,1982年から1984年までの3年間に373例あり,このうちGSHは前者で4例,後者で6例に過ぎない.
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