増刊号 診断基準とその使い方
II.呼吸器
12.肺アスペルギルス症
家城 隆次
1
,
工藤 翔二
1
1都立駒込病院・呼吸器内科
pp.1762-1765
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221886
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アスペルギルスは直径2〜4μmの分節菌糸の形態をとり,成長して,胞子分裂により分生胞子(conidialhead)を形成する.この特徴的な形態により,アスペルギルスと同定される.アスペルギルスは壁の厚い芽胞を産生し,乾燥には抵抗性で,感染は経気道で吸入により成立する.アスペルギルスは通常,肺の構造に異常がなく,免疫学的に正常な人に対して疾病をきたすことはない.菌種は200以上あるとされ,人に病原性を有するものは,A. fumigatus,A. flavus,A. niger,A. nidulans,A. terreusなどが知られているが,90%以上がA. fumigatusである.
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