増刊号 診断基準とその使い方
II.呼吸器
8.特発性間質性肺炎
田村 昌士
1
,
久保田 公宜
1
1岩手医科大学・第3内科
pp.1752-1753
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221882
- 有料閲覧
- 文献概要
■疾患概念と疫学
空咳と労作時息切れで発症し,胸部X線写真でびまん性に粒状,網状陰影が認められ,呼吸機能上肺活量が減少し,低酸素血症を示し,組織学的に主にusual interstitial pneumonia(UIP)の所見を有する原因不明の間質性肺炎を,厚生省特定疾患調査研究班(1980年)では,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumomia;IIP)と呼んでいる.ここでいう間質とは狭義の間質を指し,主に胞隔の炎症,つまり胞隔炎(alveolitis)が本症の主病変であり,進展すれば細気管支および細気管支周囲などにも病変が及ぶことになる.
英国では,原因不明の間質性肺炎をlonecryptogenic fibrosing alveolitis(CFA)と呼んでいるが,米国においては,idiopathic pulmonaryfibrosis(IPF)がIIPとほぼ同義的に用いられている.しかしIPFはIIPとやや臨床像上差があり,形態学的にはUIPのみならず一部desquamative interstitial pneumonia(DIP)を混在している.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.