増刊号 Common Disease 200の治療戦略
呼吸器疾患
特発性間質性肺炎
小林 龍一郎
1
1東京都済生会中央病院内科
pp.300-301
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904090
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疾患概念と病態
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia:IIP)は原因不明の炎症性疾患である.急性型と慢性型に分類されるが,大多数は慢性型である.国により疾患概念の違いがあり,用語の混乱がみられるが,慢性型のIIPは米国のidiopathic pulmonary fibrosis(IPF)や英国のcryptogenic fibrosing alveolitis(CFA)と同義語である1,2).また,病理学的にはLiebowによる間質性肺炎の分類のうちのusual interstitial pneumonia(UIP)に相当して,一部がdesquamativeinterstitial pneumonia(DIP)に相当する1,3).
IIPの病態は肺胞マクロファージ,リンパ球,顆粒球の炎症細胞が肺胞内と間質へ浸潤して,肺胞上皮や血管内皮細胞の変性をきたした胞隔炎を起こす.それが進行すると,細葉構造を形成する終末細気管支より末梢の気道・肺胞・毛細血管・間質の構造が破壊されて,線維芽細胞が遊走してきて線維組織に置き換わっていく3).
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