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特集 呼吸器疾患難治化の要因
特発性間質性肺炎
Idiopathic Interstitial Pneumonia
棟方 充
1
Mitsuru Munakata
1
1北海道大学医学部第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.29-34
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900598
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はじめに
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneu-monia;IIP)は米国におけるidiopathic pulmo-nary fibirosis(IPF),英国におけるcryptogenic fibrosing alveolitis(CFA)とほぼ同義の疾患である.“idiopathic”,“cryptogenic”,あるいは“特発性”の文字からもわかるように,いまだに原因が不明であり,まだ症候群といったほうがよい疾患である.本症は慢性炎症性疾患であり,そのため正常肺構造と機能が著しく障害され,その終末像として線維化・蜂巣肺(honey comb lung)を生ずる難治性・予後不良の疾患である.
本症の難治化要因は大きく二つに分類できる.一つは本症の成立機序に内包されている要因であり,他の一つは慢性に経過している本症にしばしばみられる急性増悪である.本稿ではこの二つの要因に関する最近の知見の整理と現在の治療の問題点についての考察を試みたい.
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