講座 内科診療における心身医学的アプローチ
癌患者の心理的ケア—ターミナルケアを中心に
手嶋 秀毅
1
,
木原 廣美
1
,
野田 文子
1
1九州大学医学部・心療内科
pp.372-375
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221554
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わが国における癌のターミナルケアについては,いろいろ未解決の問題が多く,まだ定説がないのが現状である.したがって総説的に理論を述べることよりは,治験例を示して個々の症例にどのように対処し,それがどのような結果をもたらしたかに重点をおいて述べた.その後,各症例について癌患者の心身医学的アプローチの立場から検討を加えた.
症例1と2は肺癌患者で病名告知を行ってターミナルケアを行った症例と,そうでない症例を対比的に述べた.症例3は婦人科癌のターミナルの症例で臨床心理士によって面接が行われ,患者の背景の心理的因子を取り扱った例である.婦人科の症例ではあるが,ターミナルケアの基本的な要因を含んでいるので紹介した.
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