今月の主題 炎症性肺疾患へのアプローチ
診断法
鑑別診断のための身体所見のとり方のコツ
副島 林造
1
1川崎医科大学・呼吸器内科
pp.202-203
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221511
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■問診
呼吸器の炎症性疾患の診断に際してもその第一のステップは問診であり,種々な症状が,いつから,どのような経過を辿って,どのように変化してきているのか,あるいはその背景因子としてどのようなものがあるのか注意深く問診する必要がある.気管支鏡検査やCTなど検査技術が進歩した現在においても診断の手掛りはまず患者の訴えに注意深く耳を傾けることであり,"Listen to the patient, he is telling you the diagnosis."のウィリアム・オスラー博士の言葉は臨床家にとって忘れてならないものである.
もちろん,現病歴の問診と同時に既往歴,薬剤服用の有無,喫煙の有無,職業歴,旅行,特に海外旅行の有無,居住環境や犬,猫,鳥などペットの有無などについて問診する必要がある.オウム,インコなど愛玩鳥の飼育の有無はおうむ病診断の重要な手掛りになる1).東南アジアなど開発途上国への旅行後であれば,伝染病など特殊な感染症を考慮する必要があろう.
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