講座 内科診療における心身医学的アプローチ
慢性疼痛患者
永田 勝太郎
1
,
村山 良介
1
1東邦大学医学部附属大橋病院・麻酔科
pp.166-169
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221503
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
内科の外来を訪れる患者の約70%が痛みを主訴としている.その半数以上が慢性の痛みといっても過言ではないだろう.種々の疾患に疼痛はついてまわり,患者を苦しめる直接的症状として,疼痛,とくに慢性疼痛は,重要な意味をもっている.
"21世紀は痛みの時代"―われわれは,人類の誕生とともに発したこの症状を,全人的に追求する必要性を痛感し,このようなスローガンをたてている.今後ますます老齢人口が増加してゆくなかで,人生の質的レベル(quality of life:QOL)を低下させる慢性疼痛に対し,1人でも多くの研究者,治療者が育つことを主眼としている.
慢性疼痛患者の全人的医療(whole person medicine)に,心身医学的アプローチは,そのべースとなる.本稿ではその方法を探ってみたい.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.