特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
各論:診療の実際
慢性疼痛
汐田 まどか
1
SHIOTA Madoka
1
1鳥取県立総合療育センター小児科
pp.979-982
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000962
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はじめに
慢性疼痛は,「治療に要するとされる時間の枠を超えて持続する痛み,あるいは進行性の非がん性疼痛に基づく痛み」で,3か月以上続いているものである1)。これまで器質的原因がみつからない痛みは心因性疼痛とされていたが,脳機能画像による研究が進み,そのような痛みでも中枢神経系の機能変化が起きていることが明らかになった。このことから,現在は痛みを身体か心かのどちらかに分ける考え方は適切でなく,慢性疼痛に対して,生物心理社会モデル(biopsychosocial model)に基づく集学的治療(multidisciplinary approach)の必要性が強調されている2)。
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