今月の主題 白血病とリンパ腫
診断のすすめ方
Myelodysplastic syndromes(MDS)の概念と治療
高橋 功
1
,
仲田 浩之
1
1岡山大学医学部・第2内科
pp.40-44
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221474
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概念の変遷
Myelodysplastic syndromes(MDS)は,最近比較的高齢者を中心に注目されている血液異常であり,これまで広く「前白血病状態」として取り扱われていたものであるが,その理解に際しては,「前白血病状態」という概念の歴史的変遷を知ることが一助となるものと思われる.
「前白血病状態」は,白血病の臨床的確認に先行して認められる血液異常状態であり,1953年Blockらが12例をpreleukemiaとして報告したことに始まる.本病態に対する研究は,その後しばらくのあいだretrospectiveな症例集積の域を出ずにいたが,1970年代になり,これら病態に対し一定の枠組みを設定し,prospectiveな検討を加えようとする試みがなされるようになった.
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