今月の主題 白血病—最新の知見と治療
特殊な白血病
Myelodysplastic syndrome(MDS)の治療
高橋 功
1,2
,
仲田 浩之
2
1高知県立中央病院・内科
2岡山大学医学部・第2内科
pp.606-608
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909523
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Myelodysplastic syndrome(MDS)の概念が提唱されて以来,本症における病因・病態論的特異性が,造血幹細胞,細胞遺伝学さらに分子生物学的レベルにおいて,徐々にではあるが確実に解明されつつある.一方,治療に関しては,de novo急性白血病における目覚ましい成績に比し,悲観的といわざるを得ず,その背景の1つとして本症が多能性幹細胞レベルで起こったクローナルな造血障害であること,そのため化学療法施行後正常造血の回復がきわめて困難であること,さらに本症が比較的高齢者に多いといった点などがあげられよう.
今回,これらMDSにおける特異性を念頭におきつつ,治療の現状について概説したい.
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