増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅷ 内分泌・代謝疾患治療薬
下垂体疾患
185.下垂体腺腫の薬物治療
石橋 みゆき
1
,
山路 徹
1
1東京大学医学部・第3内科
pp.2214-2216
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221305
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下垂体腺腫の治療にあたっては,手術療法が第1選択と考えられてきた.経蝶形骨下垂体腺腫摘出術(Hardyの手術)の手術成績が向上した現在,熟練した脳外科医の手によれば,手術による完全治癒も望めるようになった.しかし,手術が常に成功するとは限らないし,手術適応のない患者もいるので,下垂体腺腫の治療すなわち手術ということはできない.
一方,下垂体腺腫の病態生理が明らかになるにつれて,本症の薬物治療への道がひらけてきた.とくに,プロラクチノーマの場合には,ドーパミン作動薬に腺腫縮小効果があることが明らかになり,薬物療法の占める位置はますます大きくなっている.ここでは,プロラクチノーマと先端巨大症の薬物治療の現状について述べてみたい.
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