Japanese
English
特集 Functioning adenoma
ホルモン産生下垂体腺腫の内科的治療
Medical treatment of functioning pituitary adenomas
山路 徹
1
Tohru Yamaji
1
1東京大学医学部第三内科
1The Third Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.449-459
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204755
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はじめに
ホルモン産生下垂体腺腫としては,Cushing病,先端巨大症,プロラクチン産生下垂体腺腫が代表的なものである。いずれも,下垂体腺腫としての症状ばかりでなく,それぞれの腺腫から分泌される過剰のホルモンが生体に種々の影響を及ぼす。これらの疾患を薬物によりコントロールし,できれば治癒に導きたいという試みは,当然,内科医の考えるところであり,決して新しくはじまつたものではない。この十年来,臨床内分泌学の進歩とともに,これら下垂体腺腫からのホルモン分泌動態が次第に明らかとなり,また,一方ではbromocriptine(2—brom—α—ergocriptine,CB 154)をはじめとする薬剤の開発によつて,ホルモン産生下垂体腺腫の薬物療法はようやく確立されようとしている。特にプロラクチン産生下垂体腺腫に対するbromocriptine療法は注目に値しよう。本稿では,ホルモン産生下垂体腺腫に対する薬物療法の現状を自験例を混えながら概観し,その適応と限界について考察を加えてみたい。
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