貧血 実臨床に役立つ診療のポイントと最新の知見 貧血の治療のポイント
鉄剤不耐容・不応性の鉄欠乏性貧血
矢野 尊啓
1
1国立病院機構東京医療センター 血液内科
キーワード:
Ferritins
,
ヘリコバクター感染症
,
Transferrin
,
抗細菌剤
,
食生活
,
多剤併用療法
,
鉄
,
経口投与
,
貧血-鉄芽球性
,
染色体疾患
,
貧血-鉄欠乏性
,
薬歴
,
除菌療法
,
胃炎-萎縮性-自己免疫性
Keyword:
Administration, Oral
,
Anemia, Sideroblastic
,
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Ferritins
,
Feeding Behavior
,
Iron
,
Transferrin
,
Helicobacter Infections
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Chromosome Disorders
pp.257-261
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013260821
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鉄剤内服後の消化器症状は20~30%に認められ,不耐容の主因となる.不耐容に対しては,徐放剤の使用,内服パターンの変更,投与量の減量などにより対処する.鉄剤不応性の場合には,診断,患者の内服・併用薬,食事,合併症などを再確認することから始める.静注鉄剤を用いる際には,総必要量を事前に算出し,分割のうえ点滴投与する.もっとも頻度の高い鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IDA)は,慢性炎症を伴う場合で,原病の診断,加療が重要である.遺伝性鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)が知られ,本邦例の報告もみられる.Helicobacter pylori(HP)感染,慢性萎縮性胃炎,鉄剤不応性IDAの間には密接な関係があり,HP陽性の難治例では除菌療法を試みてもよい.
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