増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅴ 消化器疾患治療薬
胆・膵疾患
148.慢性膵炎の薬物治療
渡辺 伸一郎
1
1東京女子医科大学・消化器内科
pp.2112-2114
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221268
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近年,食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加から,わが国における慢性膵炎の患者は著しい増加傾向を示している.本症は,反復あるいは持続する炎症により,膵実質の脱落と線維化をきたす進行性・不可逆性の変化である.
本症の治療には,図1に示すように,その病期を代償期,移行期,非代償期の3つに分け,病態に適した治療を行う1).代償期では,腹痛の対症療法と急性再燃の予防が中心である.膵の線維化が進行して非代償期になると,疼痛はむしろ軽減し,膵内外分泌機能不全(消化吸収障害と膵性糖尿病)に対する補充療法が主体となる.
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