増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅲ 呼吸器疾患治療薬
呼吸不全
85.肺性心の薬物治療
饗庭 三代治
1
,
遠藤 さつき
1
,
大和田 明彦
1
,
吉良 枝郎
1
1順天堂大学医学部・呼吸器内科
pp.1950-1951
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221205
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肺性心は,肺および胸膜・胸郭の疾患あるいは神経筋疾患,さらには呼吸中枢の異常などの病態で発生する.このように基礎疾患は多彩で,これらの疾患のために肺血管抵抗が増大し,肺高血圧状態となる.その結果として右室肥大を招来したものが肺性心である.
この肺性心の治療においては,原因となっている基礎疾患に対する治療がまず必要となる.しかし,肺血栓塞栓症における血栓塞栓の除去のように,抗凝固・線溶療法あるいは外科療法が有効なこともあるが,基礎疾患の多くは不可逆性変化をきたしているのがほとんどである.したがって,治療の主体は,肺血管抵抗を減少させ,右心負荷を軽減させることが主体となるのが現状である.
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