増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅱ 神経・筋疾患治療薬
35.神経・筋疾患治療薬の最近の進歩と将来への展望—伝達物質・修飾物質をめぐって
岩田 誠
1
1東京大学医学部・脳研神経内科
pp.1830-1831
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221155
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神経内科領域における薬物治療は,各疾患や病態の機序が解明されてくるにつれ,単なる経験的な治療から,理論的根拠に裏づけられた,より科学的な薬物治療へと変わってきている.そして,その基礎となるものは,近年における神経薬理学,神経生化学の目ざましい発展であることを指摘することができるであろう.とくに数々の神経伝達物質や修飾物質の生理学的意義,およびその病態が明らかにされてくるにつれ,その治療への応用がくり返し試みられてきた.その嚆矢となったのがParkinson病におけるl-DOPAであることは,もはや古典的な出来事であるが,これと同様の発想に基づく伝達物質補充療法は,近年種々の形で試みられてきている.
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