増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅱ 神経・筋疾患治療薬
痛みとしびれ
36.頭痛の薬物治療
坂井 文彦
1
1北里大学医学部・内科
pp.1832-1835
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221156
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頭痛は,感染症,脳の器質的疾患など,さまざまな原因で生ずる症状である.いわゆる慢性反復性頭痛とよばれる一群は,くり返し起こる頭痛で,種々の検査によっても何ら原因となる器質的異常の見出せないものを総称する.代表的なものに片頭痛と筋収縮性頭痛とがある.いずれの場合もその病因の詳細について不明な点が多いが,片頭痛は血管性の頭痛で,筋収縮性頭痛は筋性の頭痛との考えが一般的であり,それぞれ病態生理に対応した治療方針の選択が必要とされている.
頭痛は,病態生理学的要因のみならず,心理学的要因にも強く影響を受けることも知られている.患者1人1人がそれぞれに異なった頭痛の性状を訴えることになるが,頭痛の治療薬選択にあたっては,まず頭痛がいかなる機序により発生したかを原則的に見分けることが重要である.
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