今月の主題 肝硬変と肝癌
肝癌の診断
診断のすすめ方
中島 猛行
1
,
金井 弘一
1
1浜松医科大学・第2内科
pp.1578-1580
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221090
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画像診断法の発達により肝内小病変の発見される機会が増加している一方で,受診時にはすでに骨転移,肺転移などを伴う巨大な肝腫瘍を有している症例も決して少なくない.肝動脈塞栓療法(TAE)の出現により原発性肝細胞癌(以後肝癌)患者の予後が著明に改善している現在でも,このような進行癌患者に対する各種治療の延命効果は必ずしも良好とは言えず,とくに肝癌に由来する症状を自覚して受診した場合,癌はすでに広範囲に進展しており,TAEはおろか他の治療法も施行できないことが多い.したがって自覚症状が出現する以前に,いかに早く肝癌を発見できるかが臨床医に課せられた大きな課題であるとも言える.
本稿では"肝癌の診断のすすめ方"について,1)肝癌の早期診断,2)進行肝癌の診断,3)偶然検診などで肝内腫瘤が発見された場合,の3項目にわけて述べることとする.
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