循環器疾患診療メモ
肺うっ血のX線所見
高尾 信廣
1
,
山科 章
1
1聖路加国際病院・内科
pp.1518-1519
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221074
- 有料閲覧
- 文献概要
肺うっ血の際にはいろいろな胸部X線上の所見が見られる.肺血流の読み方に関しては,以前に解説したので今回は省略し,その他の徴候について簡単に解説する.
まず正常の肺胞およびその周囲の構造と肺うっ血に伴う肺内水分貯留の過程について述べる.正常の肺胞および周囲の構造を図1に示す.肺うっ血が進行するにつれ,図1の下段のようにまずリンパ流量が増加し,次いで間質液は次第に貯留し,やがて肺胞水腫へと発展する.図1のStage 1やStage 2のような比較的早期の肺うつ血を正確に安定して計測する臨床的方法はまだ確立していない.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.