特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅲ.心臓
病態の評価
肺高血圧・肺うっ血
伊藤 浩
1
1桜橋渡辺病院心臓・血管センター
pp.147-151
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103060
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肺高血圧,必ずしも肺うっ血にあらず.肺うっ血は左房圧の上昇により肺に血液がうっ滞した状態であり,pulmonary venous hypertensionとも呼ばれている.肺動脈楔入圧の上昇を伴った病態である.それに対して,肺高血圧は肺動脈血栓塞栓症など肺血管抵抗の上昇でも生じる.そのような純粋なpulmonary arterial heypertensionでは,必ずしも肺動脈楔入圧の上昇や肺うっ血を伴うことはない.いずれの病態でも患者の主訴は呼吸困難あることが多く,迅速な診断と加療を要する.他の呼吸困難を伴う疾患と鑑別し,正しく病態を評価するために有用なのが心エコー法である.本稿では,心エコー図法を用いた肺高血圧の診断および肺うっ血の評価に関して述べる.
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