今月の主題 膠原病診療の実際
話題の膠原病関連疾患
Shulman症候群
斎藤 輝信
1
1東北大学医学部・第2内科
pp.1404-1405
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221053
- 有料閲覧
- 文献概要
1974年,Shulmanは,強皮症様皮膚所見を呈し,末梢血好酸球増加,高γグロブリン血症を伴い,生検では筋膜の著明な肥厚およびリンパ球,形質細胞浸潤(好酸球浸潤はみられない)を認める新しい症候群Diffuse fasciitis with hypergammaglobulinemia and eosinophilia1)の2例を報告した.その後,Rodnanら2)は肥厚した筋膜内の好酸球を重視し,Eosinophilic fasciitisとして6例を報告した.そこでShulmanらは,最初の報告例をretrospectiveに検討したが,好酸球浸潤は認められなかったため,Eosinophilic fasciitisよりもむしろDiffuse fasciitis with eosinophiliaの名称を提唱した3).現在では,Eosinophilic fasciitis(好酸球性筋膜炎)と呼ばれることが多い傾向にあるが,実際は両名称が使われており,一部ではShulman症候群とも呼ばれている.
本症の病因は不明であるが,過度の肉体労作が誘因として重視されている.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.