今月の主題 肝・胆・膵疾患の画像診断
疾患別による画像診断アプローチ
肝癌の早期診断
打田 日出夫
1
,
大石 元
1
,
大上 庄一
1
,
藤田 いずみ
1
,
尾辻 秀章
1
,
広橋 伸治
1
,
阪口 浩
1
,
松尾 敏和
1
1奈良県立医科大学・放射線科
pp.1214-1221
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221014
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各種画像診断法の発達と普及により,肝癌の早期診断も可能になり,日常診断においていかにして小さな肝腫瘤性病変を見落とすことなく拾い上げ,正確な鑑別診断と進展度診断により,的確な治療方針に直結するかが大きな関心事になっている.しかし,現実には,診断装置や診断技術などにより,必ずしも理想に近い状況にあるとはいえず,また,条件が満たされていたとしても,診断困難例に遭遇することがあるのも事実である1〜5).
肝癌の画像診断法には超音波診断(US),CT,血管造影,MRIなどがあり,これらのすべてを駆使して効率的に診断を進めることが大切であるが,小さな病変では1つのmodalityでしか診断できない場合もある1,3,4).本稿では,小さな肝癌の診断における各画像診断法の基本的事項と限界について,症例を呈示して概説する.
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