今月の主題 内科医に必要な救急治療
おもな救急疾患とその治療
溺水
岩月 尚文
1
1東北大学医学部・麻酔学教室
pp.868-870
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220961
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溺死とは,基本的には水(海水・淡水)による気道閉塞または吸引による窒息死であると考えられる.一方,肺内にほとんど水を吸引していない死亡例が10〜15%に見られることより,冷水につかったことによる神経性反射からの喉頭痙攣による窒息,もっと強力な反射による心停止,呼吸停止による死も関与していると考えられる.いずれにしろ,基本的病態は強い低酸素血症である.
心停止後40分たった溺水者に対し心肺蘇生を行い回復した報告があるので1),溺水は他の心停止とは異なった状況にあると考えられ,決してあきらめずに蘇生術を最低1時間は行う必要がある.
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