今月の主題 内科医に必要な救急治療
おもな救急疾患とその治療
家庭用品による中毒
鵜飼 卓
1
1大阪府立千里救命救急センター
pp.864-865
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220959
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基本的な考え方
一般家庭用化学物質による中毒は,2歳以下の幼少児の不慮の事故によって生ずるものが圧倒的に多い.そしてその大半はほんの少しかじっただけとか,なめた程度なので,たとえ有害な化学物質であるにせよ重篤な中毒症状を来すことは稀である.しかし,自殺企図でトイレ用洗剤を嚥下したり,ジュースの空き瓶などに殺虫剤や石油製品などを小分けしたものを誤飲したりすれば生命を脅かす重症中毒になることもある.
一般的にどのような家庭用品が中毒時に問題となりうるかを知ることは臨床医にとって重要であるが,家庭用品は種類が多いばかりでなく,メーカーや取扱店も大小さまざまで,商品名から組成や化学物質の毒性を調査するのに困難なことがある(表).
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