今月の主題 呼吸不全とその管理
呼吸不全のリハビリテーション
運動療法
長坂 行雄
1
1近畿大学医学部・第4内科
pp.656-657
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220902
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運動療法の意義
慢性呼吸不全の患者の安定期では,安静時には呼吸困難がないが,労作によって呼吸困難となる状態が続く.このため,家事,通勤などの家庭生活,社会生活が困難となる.運動療法では,このような日常生活中の動作における呼吸訓練を行って,日常活動(ADL)の拡大と改善をはかる.慢性呼吸不全患者の日常生活では,最も活動の支障となるのが歩行である.したがって,歩行時の呼吸訓練が運動療法の主体となる.
運動療法には,エルゴメーターを使った下肢,あるいは上肢の運動も試みられている.それぞれ実際に行った運動の効率と持久力は改善するが,歩行運動にはあまり有効でない.別項で解説される呼吸筋強化訓練法は併用するとよい.
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