カラーグラフ 皮膚病変のみかたとらえ方
全身性強皮症重症型にみられる皮膚変化
石川 英一
1
,
田村 多絵子
1
1群馬大学医学部・皮膚科
pp.486-487
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220863
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全身性強皮症は皮膚硬化を特徴とする難治性結合組織病である,かかる疾患においては,とくに重症型を早期に正しく判断し,将来におこる変化に対処することが必要なことは今更言うまでもない.従来は皮膚硬化の範囲によって病型分類を行い,重症度を判断してきた.そして皮膚硬化が四肢のみならず躯幹にもみられるものが重症型(diffuse scleroderma)と考えられてきた.しかし発病間もない初期例では硬化を含む皮膚病変の範囲を正確に判断することは容易ではない.従って出来れば皮膚硬化以外の分り易い皮膚症状で重症型を判断することが出来ればというのが,本文執筆の目的である.厚生省強皮症調査研究班の調査研究および筆者の経験で,重症型と考えられる強皮症にはdiffuse scleroderma以外に,モルフェア様皮疹をみる強皮症,および皮膚筋炎/多発性筋炎を合併する強皮症が該当することが明らかとなってきた.
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