臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
糖尿病の薬物療法
187.ヒトインスリン製剤の適応と利点
松田 文子
1,2
Ayako Matsuda
1,2
1自治医科大学・内分泌代謝科
2宇都宮大学・保健管理センター
pp.2508-2509
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218728
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ヒトインスリン製剤は,①ブタインスリンを材料として,B鎖C末端のアラニンをスレオニンに化学的に置換して作られたもの(半合成ヒトインスリン,Semisynthetic human insulin=SHI)と,②遺伝子工学手法で大腸菌内プラスミドに合成ヒトインスリン遺伝子を組み入れて合成されたもの〔Human insulin(recombinant DNA=HI(rDNA)〕とがある.現在わが国では両製剤ともブタインスリンとの二重盲検比較試験が実施されている段階で,製品としての発売は許可されていない.
インスリンアレルギー,インスリン抵抗性の患者に使用を希望する場合は,手続きを経た上で,これらヒトインスリン製剤の提供をうけて治験することができる.SHIはノボ薬品,HI(rDNA)はシオノギ製薬が取り扱っており,製剤はそれぞれNovo(デンマーク),Eli Lilly(USA)からの提供である.わが国ではSHIについてはHM研究会,HI(rDNA)についてはS3300研究会がその治験にあたっている.
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