臨時増刊特集 図解 診療基本手技
Ⅲ 救急手技
E その他
48.Sengstaken-Blakemore tube使用法
杉原 隆
1
,
幕内 博康
1
,
三富 利夫
1
1東海大学医学部・外科
pp.2366-2369
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220707
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食道静脈瘤破裂に対するballoon圧迫止血は,1930年のWestphalに始まり,以後種々の管が考案されてきたが,現在臨床の場で広く使用されているものはdouble balloon tubeである.これには3腔構造のSengstaken-Blakemore tube(S-Btube)と,これを改良した4腔よりなるMinnesota tubeがある.S-B tubeは,食道・胃balloonの送気用と,胃内容吸引洗浄用の3腔管であり,一方,Minnesota tubeは,さらに食道balloonの口側に食道内吸引用の孔が付いており,食道内の血液や唾液を除去できる利点がある(図1).また特殊なものとして,内腔から静脈瘤の出血部位を観察できる出月氏tubeも考案されている.
S-Btubeは,食道静脈瘤出血に対して最も手軽で有効な止血手段として,世界的に広く用いられている.その適応および使用法につき解説する.
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