臨時増刊特集 図解 診療基本手技
Ⅲ 救急手技
E その他
49.大動脈内バルーンパンピング法
上松瀬 勝男
1
1日本大学駿河台病院・救急医療センター
pp.2370-2372
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220708
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原理
大動脈内バルーンパンピング法(Intra-Aortic Balloon Pumping;IABP)は,大腿動脈から挿入したバルーン付きカテーテルを胸部大動脈に留置し,心拍に同期させ左室拡張期にバルーン(30ないし40ml)をヘリウムガスで急速に膨張させることにより,拡張期大動脈圧を上昇(diastolic augmentation)させ,冠血流量を増加させようとするものである.一方,左室収縮期の直前にバルーンを急速に閉じて大動脈内圧を下げ,左室の駆出抵抗を低下(systolic unloading)させることにより,左心仕事量の軽減を図るものである.したがって,拡張期には心筋への酸素供給の増加が,収縮期には左心仕事量の軽減が期待でき,虚血心筋を保護できる.図1に原理の模式図を示す.
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