増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
消化器疾患
73.食道静脈瘤破裂(Sengstaken-Blakemoreチューブ使用法を含む)
大政 良二
1
,
鈴木 博昭
1
1東京慈恵会医科大学・内視鏡科
pp.1920-1924
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900490
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ポイント
1)食道静脈瘤破裂症例に遭遇した場合には,まずショック対策が重要である.
2)ショック例や緊急内視鏡が不可能な診療体制下では,SB-tubeを積極的に用いて循環系の安定に努めること!すなわち患者の重症度や診療体制の状況を常に考慮して治療方針を決める.
3)緊急硬化療法で確実に止血するためには,出血源,出血部位の正確な診断が前提である(門脈圧充進症例の上部消化管出血のうち,静脈瘤以外の胃,十二指腸の病変からの出血が約30%あることも忘れてはいけない).正確な診断のためには,太い鉗子孔のスコープや食道胃洗浄チューブを用い,良好な内視鏡視野を得る工夫が必要である.
4)SB-tubeの挿入,緊急内視鏡,硬化療法を円滑に行うために,除痛法を用いて患者の苦痛と不安を和らげることも大切である.
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