Urological Letter
放射線直腸炎によるひどい出血に対するSengstaken-Blakemoreカテーテルの応用/尿管逆流による二次的腎部疼痛
pp.211,231
発行日 1977年3月20日
Published Date 1977/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202315
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過去2〜3年間にStage Cの前立腺癌患者が放射線治療を受けたあと命にかかわるようなひどい直腸出血を起こした例に遭遇した。直腸鏡でみて電気凝固を試みたが失敗した。そこでSengstaken-Blakemoreカテーテル(訳者註:食道静脈瘤からの出血にタンポナーデ用として使うバルーンカテーテル)に粘滑剤を充分に塗つて直腸内に挿入し,バルーンを300mlに膨らました。患者は側臥位となり下肢を軽く曲げて300mlにも膨らましたバルーンに耐えていた。このバルーンを直腸膨大部に固定しておくためにカテーテルの周りに濡らしたガーゼを2本2つの方向から巻きつけて軽く牽引しておいた。なお軽く滲み出る出血が続いてもカテーテルの内腔が28Fないし30Fあるので,外に流れてくれるので心配はいらない。上記の2例ともバルーンを2〜3時間膨らましておいただけで充分止血できた。そのあとバルーンを徐々にゆるめて1時間後に抜去した。
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