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呼吸器疾患領域におけるグルココルチコイド
泉 孝英
1
,
田中 茂
1
,
長井 苑子
1
1京都大学結核胸部疾患研究所・内科第2
pp.1259-1270
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220462
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グルココルチコイド(glucocorticoid,GC)は,抗生物質,気管支拡張剤と並ぶ呼吸器疾患領域における治療薬の3本柱の1つである.GCの臨床応用は,Hench(1949)の慢性関節リウマチへの応用とその有効性の確認報告に始まる.呼吸器疾患領域においても,1950年頃より気管支喘息への投与が始まっており,すでに35年以上の年月が経過している1).GCの作用機序をふまえた上で,副作用の出現を抑制しつつの有効な投与法の開発は,当初より指摘されてきたことであるが,現実に,適応,投与方法,投与量の決定は経験的な知見によっているところが大きい.本稿では,GCの薬剤としての概略,作用機序2〜4)について述べるとともに,GCの適応,有効性からみた呼吸器疾患領域における応用について述べることとしたい.
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