今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
臨床の話題
尿崩症
太田 善介
1
,
橋本 浩三
1
1岡山大学医学部・第3内科
pp.862-864
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220367
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尿崩症の病型と原因(表1)
a)中枢性尿崩症
抗利尿ホルモン(ADH)であるバゾプレッシンは視床下部の視束上核,室旁核で産生され,これが下垂体後葉に貯えられ,そこから末梢血中に分必され腎集合管で尿濃縮を行っている(図1).原発性尿崩症の成因としてはバゾプレッシンニューロンの系統的変性か,視束上核,室旁核中のバゾプレッシン産生大細胞のクローンの選択的欠如が考えられている.続発性のものでは中央隆起部より中枢側に種々の器質的障害が加わった場合にADH産生細胞に逆行性の変性が生じ尿崩症となる.
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