今月の主題 不整脈診療の実際
不整脈の診断
不整脈診断についての問診のポイント
山田 辰一
1,2
1山田循環器科医院
2東京女子医科大学・成人医学センター
pp.26-27
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220167
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不整脈の診断に,心電図が重要なことはいうまでもない.しかし,周知のように,心臓病の診断法を5本の指にたとえ,親指に相当する最も重要なのは問診であることは原則である.狭心症のとき以上に,Holter心電計が役立つときが多いことは事実であるが,不整脈は問診で見当をつけることが可能の場合が多い.われわれの本領はこの領域でも問診にあり,決して"心電図医者"になってはならない.
"不整脈"を訴える患者に対する問診には,同情心をもって,その患者の経験した出来事のすべてを聞き出そうとする医師の態度と,それをわれわれの医学知識と経験に照らして分析しようとする姿勢が必要であろう.最初の出会いで医師が与える信頼感から,すでに心臓病ことに不整脈患者のマネージメントは始まっており,したがって粗略な,または主観的な問診は有害でさえある.
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