今月の主題 不整脈診療の実際
不整脈の診断
不整脈診断におけるホルター心電図の効用
武者 春樹
1
1関東逓信病院・循環器内科
pp.32-35
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220169
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ホルター心電図法
1961年,N.J.Holterにより開発された携帯型磁気テープ記録器による長時間心電図法(ホルター心電図)1)は,近年,コンピューター技術の向上により,記録器の小型軽量化,自動解析の精度改善がなされ2),循環器疾患の診断に有用な検査法の1つとなっている.ホルター心電図の特徴は,時間と場所の制約を取り除き日常生活の中での心電図変化を記録し,かつその長時間の記録を短時間で解析することである3).中でも数分間で記録が行われる12誘導心電図では捉えることが困難な発作性不整脈や狭心症発作とくに異型狭心症など,症状発現から終了まで短時間で経過する心電図変化を自覚症状とともに昼夜の別なく記録に残すこと,しかもそれを外来診療でも可能としたことが,ホルター心電図の最大の効用であろう.
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