今月の主題 不整脈診療の実際
不整脈の診断
不整脈診断における運動負荷試験の効用
川久保 清
1
1東京大学医学部・第2内科
pp.36-37
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220170
- 有料閲覧
- 文献概要
運動負荷試験を不整脈診断の目的で用いる場合には,①運動により新たに不整脈が誘発される場合と,②安静時に存在する不整脈が運動により変化する場合,の2つの点に注目する必要がある.そのためには運動負荷中の心電図監視と記録は必須であり,マスター2階段試験は負荷強度の点からも不整脈診断には適切ではなく,トレッドミルやエルゴメーター負荷試験が用いられる.
一般に,ホルター心電図と比較すると,心室期外収縮(VPC)などの不整脈の検出頻度が少ない点は否めないが,短時間の観察ですむ,くり返し同一強度の負荷をかけられる,日常生活より強い程度の負荷をかけられる,不整脈発生と自覚症状の関係をその場で確認できる,など不整脈の診断や治療効果判定に有用な面がみられる.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.