カラーグラフ 皮膚病変のみかたとらえ方
光線過敏症の種々相
石川 英一
1
,
二瓶 義道
1
1群馬大学医学部・皮膚科
pp.474-475
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220275
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概念 光線過敏症は日光(とくに紫外線)刺激で誘発される皮膚病変の総称である.人間が地上において受ける紫外線にはUVB(280-320mm)とUVA(320-400mm)の別があり,UVBは炎症を起こし易く,他方UVAは単独では色素沈着を来し易い.光線過敏症は臨床的に日光曝露部に一致して皮疹が認められるとき,その疑いがある.光線の皮疹惹起機序は必ずしもなお明確でないが,薬疹または接触性皮膚炎型では光アレルギー反応または光毒反応による発症が考えられる.光過敏症では,臨床的に種々の皮疹が認められるが,漿液性丘疹が認められるとき,日光湿疹(多形日光疹の1型),光アレルギー性接触性皮膚炎または同薬疹などが,水疱をみる場合は,ポリフィリン症,種痘様水疱症などが,色素沈着をみる場合は,光毒性薬疹または同接触皮膚炎,ペラグラ,色素性乾皮症などが,紅斑,充実性丘疹のときは,多形日光疹,SLE,皮膚筋炎などが疑われる.
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