Japanese
English
特集 脳腫瘍の臨床
〔8〕Craniopharyngiomaの種々相
STUDIES OF LOCALIZATION AND SURGICAL APPROACH ON CRANIOPHARYNGIOMA
鈴木 二郎
1
,
和田 徳男
1
,
成田 敦
1
,
妹尾 博吉
1
,
沢田 公任
1
,
古和田 正悦
1
,
笹生 俊一
1
,
原田 範夫
1
Jiro Suzuki
1
,
Tokuo Wada
1
1東北大学医学部桂外科
1Dept. of Surgery, Tohoku Univ. School of Medicine
pp.782-784
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201315
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われわれは桂外科教室において,組織学的に確認された28例のCraniopharyngiomaを経験しているが,その内訳は男17例,女11例である。
Craniopharyngiomaの診断上,もつとも重要なのはレ線撮影像における石灰化像の出現である。すなわちわれわれの症例では28例中23例,約80%に出現をみており,脳腫瘍中もつとも多いものである(第1図)。これらの石灰沈着を組織学的にみると(第2図),上皮細胞に囲まれた中の硝子体様物質に直接石灰が沈着したものであり,その程度は軟骨,骨組織にいたつているものもみられ,これらの石灰沈着はレ線写真上では一般に薄綿をひき伸ばしたかのような像を示し,繊細な感じを受けることが多いが,嚢腫を形成し,その壁に沈着するものでは弧状を示すものもあり,またその発現場所は,一般にトルコ鞍上,鞍内など鞍周辺部に多いものであるが,腫瘍の巨大なものでは,遠隔部に石灰化像が出現することがあり,診断上注意を要する(第3,4図)。
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