講座 図解病態のしくみ 腎臓病・4
Renal Osteodystrophy
黒川 清
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.737-743
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219725
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腎は体のカルシウム(Ca),無機リン(Pi)の代謝の維持に中心的な役割りを果たしているので,腎機能が障害されると,このCa,Piの代謝異常が出現してくる.このような二価イオンの代謝異常には,それらの調節ホルモンの異常がみられるわけで,腎不全ではCa,Piの代謝異常に伴って,二次性副甲状腺機能亢進症(secondary hyperpara-thyroidism-2°HPTと略す)と活性型ビタミンDである1,25(OH)2D3(1,25Dと略)の欠乏が認められる.
慢性腎不全患者の延命,社会復帰が人工透析法により可能となり,長期生存の患者が増加するとともに,Ca,Piの代謝異常,2°HPT,1,25D欠乏を伴う骨病変,および関連した症候が大きな臨床問題となってきている.これらの病変に加えて,長期透析患者ではアルミニウム(Al)による骨病変の出現も問題になってきている.このような2°HPTを中心とした2価イオンの代謝異常,骨およびその他の病変を総称してRenal Osteodystrophy(RODと略)と呼んでいる.
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