今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
診断的アプローチ
生化学的背景
北村 諭
1
Satoshi Kitamura
1
1東京大学医学部・第3内科
pp.2640-2642
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219529
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COPDとしては,肺気腫症,びまん性汎細気管支炎(DPB),慢性気管支炎,気管支喘息があるが,これらの疾患はそれぞれ病因もまったく異なる.DPBに関しては,まだ病因はほとんど謎に包まれているといっても過言ではない.気管支喘息の病因としては,古くからアレルギー説,感染説,自律神経失調説,精神身体的要因説,β受容体遮断説,α受容体機能亢進説,内分泌機能異常説などの諸説があり,本症の病態生理がまだ十分に解明されていないことを端的に物語っているものといえよう.著者に与えられた‘診断的アプローチ"としての生化学的検査はまだほとんど確立されたものはなく,今回は,著者らが最近発表した気管支喘息患者の末梢静脈血中ロイコトリエン値,および各種呼吸器疾患患者の気管支肺胞洗浄液(BALF)中のロイコトリエン値の測定結果などを中心に述べてみたい.
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