増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
蛋白
フェリチン
小船 雅義
1
,
加藤 淳二
1
,
新津 洋司郎
1
1札幌医科大学第4内科
pp.22-24
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909739
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検査の目的・意義
フェリチンは球状の鉄結合蛋白質で,組織中,特に肝臓や脾臓の中に存在し,鉄を貯蔵する機能をもつ.また,フェリチンは血中にも微量ながら存在し,組織内の貯蔵鉄量を反映して増減することから,その血中レベルより間接的に組織の鉄量を知ることができる.
しかし,悪性腫瘍患者では組織中の鉄量に関係なく血清フェリチンは増加するため,腫瘍マーカーの一つとして診断や治療のモニタリングに用いられている1).また,肝炎,膵炎などでも組織障害を反映して上昇するので,病勢を知る指標ともなり得る.
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