トピックス
酸性フェリチン
後藤 義朗
1
,
漆崎 一朗
1
1札幌医大第四内科
pp.560
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203378
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酸性イソフェリチン
フェリチンは肝臓,脾臓などに多く含まれる分子量約45万の鉄貯蔵蛋白で,生体内の余剰の鉄分の解毒,貯蔵を主な生理作用とする蛋白である1,2).構造的には,H(心型)およびL(肝型)の2種のサブユニットが24個集合して一つの分子を形成し,鉄をミセルとしてその中に取り込んでいる.
この2種類のサブユニットの相対的比率が各組織で異なっているため,不均一性(イソフェリチン)が認められる.例えば,肝イソフェリチンは,L型サブユニットが70〜80%,H型サブユニットが20〜30%であり,心イソフェリチンはH型が60〜70%で優位である.後者は前者と比べて等電点が相対的に酸性であるために酸性イソフェリチンと呼称されている2).
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