臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
105.ビリルビンと黄疸指数
亀谷 麒与隆
1,2
Kiyotaka Kamegaya
1,2
1東京都立広尾病院・内科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.2349-2354
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219426
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黄疸とは
黄疸とは血清ビリルビン値が過剰(1mg/dl以上)になった状態である.したがって,黄疸の程度は血清総ビリルビン値の定量により決定されるのであるが,簡便法として血清の黄色調を比色定量する黄疸指数(Meulengracht法)が用いられてきた.ビリルビン1mg/dlが黄疸指数10にほぼ対応する.健康人血清の黄疸指数は4〜6単位,血清総ビリルビン値は0.2〜0.8mg/dlである.血清総ビリルビン値が2mg/dl以上になると皮膚,粘膜の黄染が明らかとなるので顕性黄疸,それ以下の場合には潜在性黄疸と呼ぶ.健康人血清はわずかの黄色調を帯び,その75%がビリルビンに,残りの25%がlipochromeによるとされる.過ビリルビン血症以外に皮膚の黄味をきたす状態として,①柑皮症(カロチンあるいはカロチノイド色素が血中に増加する場合で,ニンジン,南瓜,蜜柑などの過食による.眼の鞏膜は黄染しない),②下垂体機能不全,③ある種の薬剤の摂取(塩酸キナクリン,ピクリン酸)などがあげられる.
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