特集 黄疸を極める
1.ビリルビン代謝と黄疸の発症機序
佐藤 雅哉
1
1東京大学医学部附属病院検査部
キーワード:
ヘム
,
ビリルビン
,
腸肝循環
,
ウロビリノーゲン
,
ステルコビリン
Keyword:
ヘム
,
ビリルビン
,
腸肝循環
,
ウロビリノーゲン
,
ステルコビリン
pp.247-252
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002533
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ビリルビンは赤血球の破壊等によって生じるヘムより産生される.産生された間接ビリルビンは,アルブミンと結合して肝臓へと運ばれてグルクロン酸抱合を受け水溶性の直接ビリルビンへと変化して胆汁中に排泄される.消化管内に排泄された直接ビリルビンは,腸内細菌などに代謝されてステルコビリンとなって便中に排泄される.ビリルビンからステルコビリンへと代謝される過程で産生されるウロビリノーゲンの一部は消化管より再吸収されて血中に戻った後に肝臓へと運ばれて再度直接ビリルビンとして胆汁中に排泄される(腸肝循環).黄疸は体内のビリルビン濃度の上昇によって引き起こされるが,さまざまな疾患において生じるビリルビン供給の増加と代謝能の低下により,血中ビリルビン濃度の上昇が認められる.
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